20147月・8月豪雨災害レポート.34


 
今回の土砂災害でいくつかの墓苑が被害に遭っています。私たちがお手伝いに行った安佐南区の緑井墓苑もその一つです。墓地を飲み込むように両サイドの山が 崩れ落ち、被害が拡大していました。福井県から参加の高野山真言宗弘法の寺齋藤住職と泥出しに行って来ました。管理人さんも疲労困憊の様子でもうとっくに 限界のようですが、気力で対応されているようです。

様子を聞きに行った方のお話によると、「行政にもボランティアセンターにも見放されどうしていいかわからない」と途方に暮れていたそうです。行政は政教分 離という理由からなかなか宗教施設への支援を避けてきました。しかし、東日本大震災の名取市では、墓地の再建を全額公費で処理したケースもあります。(詳細については、「寺門興隆2013年2月号」に掲載)




当日は快晴で夏のような日差しが注ぎ込み、予想以上に体力も奪われていきます。けれど朝8時からご先祖様の墓石を救い出そうと70代以上のおじいさんやおばあさんが休む間も惜しみながら墓石にかぶった泥や枝葉を必死にかき分けていきます。




他にもお墓を探しに来た家族がいらっしゃいました。必死にお墓を探し、奇跡的にもすぐに掘り出されたお墓を見つけることができました。見つかった瞬間、「よかったぁ、お母さんやみんながみつかって」と涙ながらの再会を果たしました。


 
そうこうしているうちに、朝から墓石を掘り始めて、お昼前にやっと墓石の頭のほうが見え始めました、暑さも忘れて小さなシャベルや流れてきた流木を切るためののこぎりを使い分けながらやっと墓碑銘が読める状態にまで掘り進めました。



 
けれど、残念ながらそのご家族のお墓ではありませんでした。それでも諦めずにお昼を過ぎてもそのおじいさんたちはお墓を探し続けていました。その墓地にきていた他のご家族は、じっと墓地を見つめていました。その気持ちを想像すると、とても切なくなりました。

 
有志でボランティアの人たちも毎日のようにきてくれています。ボランティアセンターは人家を優先しているので、墓地には派遣されません。でもお墓は、人々 にとって家と同じくらい大切な拠り所です。いまを生かされているものとして「死者と向き合う」ということは大切なことではないでしょうか。行政も含めて、 被災者の方のニーズに柔軟に対応できるようにしてもらいたいものです。



 

 

(連絡先)被災地NGO恊働センター

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 *お手数ですが、通信欄に「201478月豪雨水害」と明記下さい。

ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

(*なお、申し訳ありませんが、どの被災地に活用するかは当方にお任せ下されば助かります。どうしてもご指定があれば、「丹波」「福知山」「広島」などとご記入下さい。)