20147月・8月豪雨災害レポート.24

 

8月豪雨による被害を受けた兵庫県丹波市に国による「激甚災害指定」が決まった。(18日)すでに農業用施設等への支援は決まっていたようだが、これによって道路や河川堤防など公共土木施設の被害について、復旧のための国の補助がでる。これがなければ、地方自治体の負担が大きくなり厳しい財政状況になる。もちろん、100%国が負担する訳ではないので財政規模の小さい丹波市としては厳しいだろう。

しかし、一方農家さんは田・畑の被害について大部分の援助が市・国から受けることができるものの、個人負担も大きいというところが課題である。

さて、さらに一般の民家の場合は、どうだろう?土砂災害によって、全壊・大規模半壊の場合は、被災者生活再建支援法で最大300万円の支援があるが(丹波市は独自で50万 円を上乗せした。)半壊および一部損壊の場合は兵庫県独自の支援策で少しは補助が出るようだが、例えば床下に泥が入り、除去も難しいために沈殿したまま で、悪臭がするために健康被害も心配されるという事態に対して、何の支援策もないだろう。こういう被害も一部損壊の対象になれば、丹波市独自での支援金給 付があるだろうが、過去の事例では床下に泥が入っただけでは、自治地から消毒と消臭のために石灰を撒くための援助くらいで現実は厳しい。そしてこうして発 災から1ヶ月もそのままで泥を放置していると除去作業も一苦労となる。

よ り具体的に紹介すると、昔ながらの木造伝統構法で建てた家なら、床板をはがすのも楽だが、もしフローリングなどを張り詰めていれば、元の通りに復元できな い場合も考えられるので、ボランティアが勝手にはがすことも出来ず、住人にそのあたりの負担も覚悟してもらっての床下泥かき+石灰消毒散布+αとなる。その上、大規模な被害を受けた人たちに比べれば、床下くらいで「ボランティアさん、助けて!」と、声が上げられないという遠慮が働くために、ますます後手にまわるというのが現実であろう。

2009年の佐用町水害の時には、日本財団に全面的に協力をして頂き、加えてNVNAD(本部:西宮)や震災がつなぐ全国ネットワーク、大分県社会福祉協議会などの協力を得て、全国から約15トンの竹炭・木炭を集め、約200世帯の被害住家の床下に炭を敷き詰め、大変喜んで頂いた。

災 害救助法を充当しつつ、兵庫県、丹波市がボランティアに必要な資金を出してあげれば、そのような活動も不可能ではない。丹波は、昔は白炭や木炭で一世風 靡?していたと聞く。もちろん、床下に入れるのにそんな高価な、立派な炭は必要ない。土砂災害で大量に流出した流木を炭にできないものかと一考を提案した い。

 

他人任せの提案で情けないのだが、阪神・淡路大震災から20年が経過し、当NGOも財源が乏しく、佐用のときのように動けないのが悔しい限りだが・・・。 
                   (村井雅清)

 


(連絡先)被災地NGO恊働センター

652-0801 神戸市兵庫区中道通2110

TEL:078-574-0701FAX:078-574-0702

E-mail:info@ngo-kyodo.org(担当:頼政・村井)

 

郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター

  *お手数ですが、通信欄に「201478月豪雨水害」と明記下さい。

ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座

0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

(*なお、申し訳ありませんが、どの被災地に活用するかは当方にお任せ下されば助かります。どうしてもご指定があれば、「丹波」「福知山」「広島」などとご記入下さい。)