2014/7・8月豪雨災害レポートNo.10
<広島市安佐南区、安佐北区>
現地で活動を開始した9月1日の頼政レポートです。
この日は、能登半島地震で結成された高野山足湯隊のメンバーで石川県金沢のお寺さんから現地で活動するボランティアさんへ、サイダーの差し入れを頂き、以下の2ヵ所へ届けました。
一つは、可部町桐原地区の区長さんがフェイスブックを通じて、ボランティアを集め自主的に活動をしていました。8月31日
の避難指示、避難勧告の解除により安佐北区のボランティアセンターを通じてボランティア活動が本格化し始めています。ただ、社協のボランティアセンターで
は住家を優先するため、まだ用水路に手が入っておらず、そうした所にも手が回るようなボランティアさんが欲しいとおっしゃっていました。
も
う一ヵ所は、地元の真言宗のお寺さんの同級生のお好み焼き屋さんが被災され自主的にボランティア活動をしている現場にお持ちしました。サイダーはとても喜
ばれるということです。さらに薬師寺(高野派)のご住職猪智喜さん、一畑寺(智山派)のご住職佐藤丈倫さんとそのお仲間のお力を借りて、不足していた紙
コップや水に溶かして作るタイプのスポーツドリンクなどをお届けしました。お寺さんからの差し入れと言うことで、お祈りをしてから受け取ってくれました。
ボランティアさんは口コミやFacebookなどで広がっているようで、たくさんの方が活動をされておりました。
昨日は現地でもかなり強い雨が降り、活動も中断を余儀なくされながら、ボランティアのみなさんが懸命に活動を続けていました。
以下は先遣隊の追加報告です。
先日29日に安佐南区にある八木小学校で足湯をしました。その時に初めて前述している地元をお寺さんのお仲間と現場に行きました。八木小学校はピーク時で200人以上の方が避難していましたが、現在は半分程度の100人 ほどです。日中の被災者の生活はお仕事に行かれる方、自宅の片付けなど様々です。でもまだ避難指示区域やライフラインの確保などが優先され片付けたくても 片付けられなかったり、お年寄り一人ではなかなか作業もできずボランティアも少ないので、片付けが思うように進まず、避難所で悶々と一日を過ごしている方 もいらっしゃいます。
そして中には、土石流や濁流が家の中まで押し寄せ、60センチくらいまで足が水の中に埋まり、4時
間くらい水の中にいたという人もいて、水が恐いからずっと半ズボンでいるという人もいました。「ほんとに水は恐ろしいよ」「恐ろしかった」という声が聞こ
えてきました。また、土砂や岩が凄く、家の中にまで岩が入ってきて、隙間が数十センチくらいしかないからとてもじゃないけど、掘り出せず実家を見に行って
も、何もせずに帰ってくるという人がいました。男性は避難所でも何もすることがなく、最初に逃げてきたときのズボンが入らなくなったよ、太っちゃってね~
と、お酒もここへ来てから一滴も飲んでないし、こんなの初めてだよとこぼしていました。
ま
た、小さなお子さんを持つ若い女性の方は、足湯をしていたら、「足湯で便秘が治るかしら」と訪ねてこられ、聞くと避難所では毎日お弁当や炭水化物ばかりで
野菜がないからずっと便秘だという。これは避難所はありがちのケースで物資は山のように積まれているが、野菜はいつも不足気味なります。彼女は「一度野菜
たっぷりの豚汁が炊き出しに来たとき、それが一番おいしかった」とつぶやいていました。そして女性の場合は避難所にきて、ズボンがゆるくなったよとこぼし
ていました。ちょっとも煮炊きができれば、インスタントのお味噌汁でもネギをはなつだけ、サラダならお店も開いているし、自分たちですぐにできるでしょ
う。避難所の改善の余地はまだまだありますね。
被
災者のピークはすでに限界を超しています。もちろん家の片付けなども優先的に行わなければなりませんが、休憩をしながらでないと、もちません。一日二日で
終わるような土砂の量では到底ないのですから。そして、避難所には地元の多くのボランティアのみなさんもたくさん関わっています。しかし、一週間も続くと
疲労の色は隠せません。ボランティアも交代の時期にさしかかっています。
被災された住民の中でも、被災翌日から自宅前にイスやテーブルを並べて、一瞬でも被災を忘れるように憩いの場を提供している住民もいるそうです。
昨日足湯をした女の子は笑顔で「あ~幸せじゃ~」と言ってくれました。まけないぞうをプレゼントすると「きゃーかわいい」とお鼻をかじって遊んでましたよ。こんな出来事が辛い災害をほんの一瞬忘れさせてくれました。
<兵庫県丹波>
丹波でも懸命な活動が続けられています。地元の方々を中心に震災がつなぐ全国ネットワークの関係者や応援部隊の人たちも引き続き支援活動が行われています。今日の新聞記事によると、兵庫県は8月豪雨災害に対して、緊急対策として、国の制度の支援対象にならない住宅の被害に15万~150万円を独自に支給する方針を発表したと伝えています。昨年4月13日に発生した淡路島の地震でも一部損壊が大半で兵庫県が災害援護金を拡充し、見舞金を送りました。それに続き今回の2度目の緊急対策が施されました。
そして、丹波県民局に「丹波地域災害復興室」が設置されました。復興室は、復旧・復興を着実に進めるため、全庁あげて対応するということです。このような動きが、広島の被災地でも進められ被災者が少しでも希望を持って再建されることを期待します。
(文責:増島 智子)
*昨日のニュースでお伝えした文中の「智山派」を「知山派」と表記していました。正しくは「智山派」です。ここで訂正してお詫び致します。
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(*なお、申し訳ありませんが、どの被災地に活用するかは当方にお任せ下されば助かります。どうしてもご指定があれば、「丹波」「福知山」「広島」などとご記入下さい。)